個別指導塾から中学受験、長男の体験談 ―「ゆる受験」のリアル

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結論:個別指導での中学受験は「自由度」と「引き換えの負担」がセット

長男は当初、中学受験をする予定ではありませんでした。もともと大手個別指導塾に通っていて、小学5年の後半になってから中学受験をすることに決めました。今更集団塾に切り替えてもついていけないと思い、そのまま同じ塾で受験対策を進めることにしました。

結果として合格はできましたが、正直に言うと「個別指導での中学受験」には良い面と大変な面の両方がはっきりありました。今回はその実体験を、費用の推移も含めて書いておきたいと思います。

そもそも、なぜ受験を決めたのか

長男は当初、公立中学に進学するものだと思っていました。私自身も夫も中学受験の経験がなく、正直なところ「うちには関係のない世界」だと思っていたのです。

きっかけは、高校無償化の所得制限がなくなったことでした。これによって、周りでも「公立ではなく私立を受験させたい」という家庭が明らかに増えたように感じます。私自身もいろいろ調べたり、説明会に足を運んだりするうちに、すっかり中高一貫校の魅力に引き込まれてしまいました。

一番大きかったのは、高校受験がない分、大学受験に集中できるという点です。中だるみのリスクはあるにせよ、高校受験のための勉強に時間を取られない分、部活動や学校行事など、学生生活そのものが充実するのではないかと感じました。

もう一つ、長男の性格も大きな判断材料になりました。長男はいい意味で素直な性格ですが、その分、友達関係に影響されやすいところがあります。公立中学では周りの環境に流されてしまうのではないかという不安があり、それなら学校側である程度勉強する機会を作ってくれたり、公立中学にはない研修やカリキュラムがある環境の方が、本人にとって良い方向に働くのではないかと考えました。

実は、夫は当初「私立中学は必要ないのでは」という意見でした。私も夫も私立受験の経験はなく、近い親族にもそういった経験者がいなかったため、私立という選択肢自体にあまり馴染みがなかったのだと思います。

ところが、実際に説明会に足を運んでみると、そのアットホームな雰囲気がとても印象的でした。本人も夫も「いい学校だね」と感じられ、そこから家族全体の空気が変わっていったように思います。制度やデータだけでは伝わらない、実際に足を運んでみないと分からない魅力があるのだと実感しました。

費用面でも意外な発見がありました。中学の授業料自体は無償ではないものの、もともと勉強に力を入れている学校であれば、通っている間に塾に通う必要性が下がります。そう考えると、公立中学に進んで高校受験のために塾に通い続けるケースと、最初から私立中高一貫校に進むケースとで、トータルの金額差はそれほど大きくないのではないか、という考えに至りました。

もちろんこれは一般論としての印象であり、学校によって授業料も塾の必要性も差があります。ただ、「受験するかどうか」で悩んでいる家庭にとっては、この視点は判断材料の一つになるのではないかと思います。

週1コマから始まり、最終的に月20万円超えに

最初は週1回、算数だけを受講していました。それが小学6年になると、算数週2コマ、国語1コマに増え、1コマあたり18,000円というのが基本の月謝でした。

ここに夏期講習、冬期講習といった季節講習の費用が別途上乗せされていきます。受験直前の冬休みには、ほぼ毎日塾に通う状態になり、最終的に1か月の塾代が20万円を超えました。

集団塾の月謝と比べると、個別指導は単価が高くなりやすいというのは覚悟していましたが、受験が近づくにつれてコマ数がどんどん増えていくので、想定より負担は大きくなりました。これから個別指導で中学受験を考えている方は、6年生の後半、特に直前期にどこまで費用が跳ね上がるかを早めに塾に確認しておくことをおすすめします。

個別指導のよかった点:スケジュールの自由度と両立のしやすさ

大変だった面ばかりではありません。個別指導ならではの良さもはっきりありました。

一番は、スケジュールを自分たちの都合に合わせて組めたことです。集団塾のように決まった曜日・時間に縛られないので、他の習い事と並行して続けることができました。「ゆる受験」ではありましたが、その分、英検を取得する時間も確保でき、これが受験本番でも試験を有利にする材料になりました。中学受験一本に絞らず、他のことも並行できたのは、個別指導ならではのメリットだったと思います。

大変だった点:講師への信頼としわ寄せ

一方で、最後まで拭えなかったのが講師への信頼の問題です。個別指導塾は講師が大学生であることが多く、優秀な人ももちろんいますが、結局はアルバイトという立場です。指導力にばらつきがあり、「この教え方で本当に大丈夫なのか」という不安を最後まで完全には拭えませんでした。

その結果、自宅で親が教える場面がかなり多くなりました。塾に任せきれない部分を家庭でカバーする形になり、親子で喧嘩になることも少なくありませんでした。合格できたから今は笑って話せますが、当時は精神的にも体力的にもかなり消耗しました。

家庭内では、自然と役割分担ができていました。私は私立受験の経験がなかったので、参考書を片手に、長男と一緒に勉強しながら進めていくスタイルでした。分からない問題があれば自分でも解き方を調べ直し、教えながら私自身も受験算数を学び直すような感覚でした。

一方で夫は、勉強には直接タッチせず、長男とゲームの話をしたりして意識的にリラックスさせる役に回っていました。受験期は勉強一色になりがちですが、家庭の中に「勉強しなくていい時間」を作ってくれる存在がいたことは、長男にとっても息抜きになっていたと思います。夫婦で役割が自然と分かれたことで、家庭内のバランスが取れていたように感じます。

次男は同じ思いをさせたくないから、4年生から集団塾に

長男の経験を踏まえて、次男は4年生の時点から中学受験用の集団塾に通わせています。理由はシンプルで、長男のときに感じた「講師を信じきれないモヤモヤ」を次男には抱えさせたくなかったからです。集団塾ならカリキュラムが体系化されていて、講師も受験指導を専門にしているので、家庭で教える負担は長男のときと比べてかなり軽くなっています。

もちろん、集団塾には集団塾なりの大変さ(クラス分け、周りとの比較、決まった時間割による他の習い事との両立の難しさなど)もあります。それでも、長男のときの経験があったからこそ、次男には別の選択をしたというのが正直なところです。

まとめ:どちらが正解ということではなく、家庭に合う形を選ぶこと

個別指導での中学受験は、スケジュールの自由度が高く、他の習い事と両立しやすいという大きなメリットがあります。一方で、費用は受験が近づくほど膨らみやすく、講師の質にばらつきがある分、家庭でのフォローが必要になる場面も多くなります。

長男は個別指導で「ゆる受験」をしながら合格することができましたが、同じやり方をもう一度選ぶかと聞かれたら、正直迷います。次男には違う形を選んだのも、その経験があったからです。中学受験のスタイルに正解はなく、お子さんの性格や家庭の状況に合わせて選ぶのが一番だと思います。

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