もうインフルエンザが流行り始めています
まだ9月に入ったばかりなのに、すでにインフルエンザの気配を感じていませんか。実は今シーズン、広島市では9月1日付けで今シーズン初めての学級閉鎖が報告されています。年によって流行の始まる時期にはばらつきがあり、9月頭に学級閉鎖が出るのは決して毎年恒例というわけではないのですが、それでも「今年は早い」と感じている方は少なくないはずです。
我が家でも、子供の学校で学級閉鎖が出ました。私自身、調剤薬局で働いていますが、窓口にもインフルエンザと思われる方がちらほら来局されるようになってきています。処方箋の内容からも、なんとなく「もうそういう季節に入ったんだな」と実感する日が増えてきました。夏の疲れが抜けきらないうちに迎える今年の冬、早めに備えておくに越したことはなさそうです。
今からできる基本の予防法のおさらい
慌てる前に、まずは基本のおさらいから。手洗い・うがい・換気・湿度管理は、当たり前のようでいて、実はそれぞれにちゃんとした理由があります。
インフルエンザウイルスは、乾燥した空気の中では長く空気中を漂いやすく、逆に湿度が保たれていると比較的早く落下したり、粒子が壊れやすくなったりすると言われています。加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりするだけでも、実はウイルス対策として意味があるということです。手洗いは手についたウイルスを物理的に洗い流すシンプルながら効果の高い方法ですし、換気は室内にこもったウイルスの濃度を下げる役割を果たします。
マスクについては、症状のある人がつけることで飛沫を抑える効果がまず期待できますし、人混みの中に入るときに予防的につけるのも一定の意味があります。特に受験を控えたお子さんがいるご家庭では、本人だけでなく家族全体でマスク・手洗いを徹底しておくと安心感が違います。
予防接種は「いつ打つか」が実は重要
インフルエンザの予防接種は、打てばすぐに効果が出るわけではありません。接種してから抗体ができて効果が出てくるまでにはおよそ2週間程度かかるとされています。つまり「流行りだしてから慌てて打つ」のでは、効果が出る前に感染してしまう可能性もあるということです。
そう考えると、今のように学級閉鎖のニュースを聞き始めた時期こそ、まさに接種を検討するタイミングだと言えます。特に13歳未満のお子さんは2回接種が必要で、間隔を空ける必要もあるため、逆算するとなるべく早めに1回目を済ませておきたいところです。
経鼻ワクチン「フルミスト」ってどんなもの?
ここ数年で選択肢が増えたのが、鼻にスプレーするタイプの経鼻ワクチン「フルミスト」です。国内では2023年に承認され、2024年秋から実際に医療機関で使えるようになった、まだ新しい選択肢です。対象年齢はおおむね2歳から18歳までで、料金はクリニックによって差がありますが、1回あたり7,000〜8,000円程度に設定されているところが多いようです。
フルミスト最大のメリットは、なんといっても「痛くない」こと、そして「1回で済む」ことです。注射のように子供が泣き叫ぶこともなく、鼻にシュッとスプレーするだけで接種が完了します。小児の場合は、鼻や喉の粘膜で直接免疫がつくられるため、注射よりも感染そのものを防ぐ効果が高い傾向があるとも言われています。
ただし、誰でも受けられるわけではありません。次のような方には、フルミストではなく注射タイプのワクチンが推奨されています。
- 重い喘息と診断されている方
- 卵やゼラチンに対して重いアレルギーがある方
- 本人または周囲に免疫不全の状態の方がいる場合
- 妊娠中・授乳中の方
このあたりは事前に医療機関でしっかり確認しておきたいポイントです。
注射と経鼻、結局どっちがいいの?効果の違い
「じゃあ結局、経鼻の方がいいの?」と思われるかもしれませんが、実はそう単純でもありません。
注射タイプの不活化ワクチンは、血液の中に抗体を作るしくみで、全身の免疫を上げるのが得意です。ただし皮下注射という性質上、鼻や喉の粘膜そのものの免疫はつきにくく、感染を完全に防ぐというより「かかっても重症化しにくくする」という役割が中心になります。
一方、経鼻ワクチンは鼻や喉の粘膜表面に直接免疫を作るため、感染の入り口そのものをブロックしやすいという特徴があります。小児では発症予防効果が注射より高いという評価がある一方で、実は弱点もあります。海外では、流行する型によって経鼻ワクチンの効果が十分に発揮されなかったシーズンがあり、一時的に使用を控えるよう勧告が出たこともありました。つまり経鼻ワクチンも万能ではなく、「型との相性」によって効き方に差が出ることがあるのです。
どちらが優れているというより、「効き方の種類が違う」と捉えるのが正確な理解だと思います。
わが家はこうしました
昨年、うちのかかりつけの小児科では、点鼻ワクチンが7,500円、注射が1回目3,500円・2回目3,000円の合計6,500円(2回接種)という料金設定でした。単純に金額だけ見ると、注射2回の合計の方が安く、しかも点鼻は1回で済むので、通院の手間や子供の負担を考えると魅力的な選択肢です。
ただ、うちの子供は「鼻に何かを入れられる」こと自体をとても嫌がるタイプで、結局注射を選ぶことになりました。正直、「1回で済んで楽なのに」という気持ちはありましたが、無理にフルミストを選んで本人が余計にストレスを感じるくらいなら、注射でも本人が納得して受けられる方法を選んで良かったと思っています。
お子さんによって、痛みが苦手なタイプもいれば、鼻に何かされることの方が苦手なタイプもいます。どちらが正解ということはなく、お子さんの性格に合わせて選んでいいのだと思います。
まとめ
今シーズンはすでに学級閉鎖の報告も出ており、例年より早めの対策が必要になりそうです。基本の予防法をおさらいしつつ、予防接種は効果が出るまで2週間ほどかかることを踏まえて、早めに検討しておくと安心です。注射と経鼻ワクチン、それぞれにメリット・デメリットがあるので、費用面だけでなくお子さんの性格やタイプも考えながら、かかりつけ医と相談して決めてみてください。


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